by 岩崎 雅典


ウンピョウ
 2001年2月〜3月、約35日間かけて“幻のウンピョウ”をボルネオ島、マレーシア領サバ州に取材した。
 NHK「地球!ふしぎ大自然」の番組取材だった。
 放映2001年6月4日。
 「ボルネオ霧の密林・ついに発見!幻の豹 雲豹」
ウンピョウを探して
ダヌンバレー自然保護区
タビンのアブラヤシ畑
ウンピョウとの遭遇
ニシキヘビ
ダヌンバレーの森
ウンピョウの棲む森
森の生き物たち
ウンピョウの未来
オオフクロウ

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ウンピョウを探して ダヌンバレー自然保護区 
一般向け宿泊ロッジ
 ダヌンバレー自然保護区は赤道直下のボルネオ島にある。

 日本の本州の約3倍、世界で3番目に大きな島。

 マレーシア領のサバ州は島の北部。
 ダヌンバレー自然保護区は広さ20キロ四方ほど。

 熱帯雨林が手つかずのまま残されている貴重な森。
テングザルの棲む大河キナバダンガン川も散策。
ウンピョウの足跡
 ウンピョウの足跡。

 宿泊ロッジ近くにある従業員宿舎近くに現れた。

 飼っていたニワトリを襲ったのだ。

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ウンピョウを探して タビンのアブラヤシ畑
タビンのアブラヤシ・プランテーション
 ウンピョウの目撃情報を得て「タビン野生動物保護区」へ向かった。

 ダヌンバレーの森から東へ約100キロのところ。
 タビンの森は、プランテーション地の造成のため、どんどん切り開かれている。

 このアブラヤシから採れる植物性の油脂は、日本にも輸出されている。
地面に落ちたアブラヤシの実

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ウンピョウとの遭遇
 世界にヒョウと名のつく生き物は3種類います。
 アフリカの草原から東南アジアに広く分布している“ヒョウ”とヒマラヤ山岳地など標高3000m以上の高地に住む“ユキヒョウ”、そして熱帯雨林に住む“ウンピョウ”です。
 漢字で「雲豹」と現されるように体の模様が“雲型”をしています。
 インドから東南アジア、台湾などに生息していますが、最近ではめったに出会えないので幻といられています。
足跡を点検する筆者(左)とガイド
従業員宿舎のニワトリ小屋に現れたウンピョウの足跡を点検する筆者(左)とガイド。
 待つこと5時間。

 深夜に現れたウンピョウ。
 ライトを嫌い宿舎の軒下に隠れた。が、意外にも堂々としていて逃げようとしない。

 カメラは、初めてアップの撮影に成功
ウンピョウ

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ウンピョウの棲む森
ダヌンバレーの熱帯雨林の森
 地球上に残された貴重な熱帯雨林の森、ダヌンバレー。フタバガキ科の大木が連なり、ジャングルを形成している。
 森には多種多様な生物が生息する。

 探索で最も悩まされたのはヒル。
 ロッジで売ってるヒル除けソックスは必携。
 アジア像の群れの出現には感動。
 道路に出てきて道行く車を追いかけ威嚇する。

 まるで“この森に近づくな”と言われているようだった。
アジアゾウ

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森の生き物たち
オスのテングザル
 スカウという小さな村を基点にキナバダンガン川の河畔をボートで巡るツアーがある。
 いくつかのテングザルの群れが容易に見られる。

 ウンピョウは、テングザルを襲うというので夜の探索にもチャレンジしたが遭遇は無かった。
 ボルネオ島には、ネコ科の動物が多い。
 ベンガルヤマネコ、マライヤマネコ、ボルネオヤマネコ。
 ジャコウネコの仲間ではジャワジャコウネコ、パームシベット、タイガーシベットなど。

 中でも最大のネコ科がウンピョウだ。
 頭胴長80〜100p、体重は16〜23kg。
ベンガルヤマネコ

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ウンピョウの未来
サバ州の熱帯雨林とキナバタンガン川
 ボルネオ島は一度は行ってみたい憧れの地の一つだった。予想に違わず様々な生き物たちに出会えた。
 だか、日々森の木々は伐採され開発が進みつつあるのも現実だ。

 熱帯雨林に興味のある人は、一見の価値のあるこの森を訪れることをすすめたい。
 州都、ユタキナバルには日本人のいる旅行社もある。
 初めてのボルネオでもっとも困難なテーマ“ウンピョウ”を選んでしまった。
 幸運にも身近で遭遇できたが、もっと森での暮らしぶりを見たかった。

 ほとんど生態の知られていないウンピョウ。研究者も皆無に近い。

 人里に出現したことに何となく危機感を覚える。
ウンピョウ


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